資料 概要 メール リンク 書籍 行事・予定 法例・判例 二次被害注意 借金解決 加盟団体 規約 歴史 トップ
被連協ロゴ
借金解決への道 (借金の解決方法について)
 トップ > 歴史 借金解決への道

 多額の債務を負ってしまったり、多重債務に陥ってしまった場合、放って置けば夜逃げや自殺に追い込まれたり、離婚などの家庭崩壊の原因になります。どんなに頑張っても返済しきれないと思ったときは一日も早く債務を整理しなくてはなりません。債務整理の方法にはいくつかの選択肢があり、代表的なものに「任意整理」「調停(特定調停)」「自己破産」「個人債務者再生手続き」などがあります。悩んでいないで、1日でも早く立ち直りましょう。
 また、それぞれには長所、短所がありますから、個々のケースでどれがもっとも適切かをよく判断することが必要です。

《任意整理》 《調停(特定調停)》 《自己破産》 《個人債務者再生手続き》


1 任意整理

 これは、裁判所を使わないで、直接債権者と交渉し、債権者の同意を得て、債務を減額してもらい、分割で支払っていく方法です。裁判所を使わないで行う方法ですが、個人で個々の債権者と交渉するということは実際には難しく弁護士や司法書士に頼んで行っているのが現実です。もっとも被害者の会の支援を受けて自分で行う場合もあるでしょう。任意整理をするときは、まず、法律上支払わなければならない債務額を確定します。法律上支払わなければならない債務とは、利息制限法という法律によって認められている利息に基づいて計算をした結果、借り入れた元金が100万円以上のときは年15%、10万円以上100万円未満のときは18%、10万円未満のときは20%、と定められています。サラ金の利息は、例外なく、利息制限法で定められた利息を超えていますから、利息制限法で定められた利息を越えて支払った利息については、過払いということになります。過払い分は、元金に充当されたものとして計算しますから、債権者が主張している債権額より、実際に法律上支払わなければならない金額は、かなり少なくなります。
 こうして計算された債務額を前提にして、一括で、あるいは分割にて支払いを行います。

 また、支払いについて、一括支払いの場合、減額してくれる業者もあります。そして分割の場合は、将来に発生する利息は、つけないようにしてもらうのが原則です。

前のページへ戻る トップページ ページの一番上へ戻る


2 調停

 調停は、簡易裁判所に申し立てを行います。正式には、債務弁済協定調停といいます。この調停の申し立ては、自分で行うことができます。他の制度が、弁護士や司法書士でないと難しいのと比べ、自分一人でできるものです。調停では、調停委員が債権者との間で、債権額を確定し、一括なり、分割で話をまとめます。調停でも、債権確定の際には、利息制限法に基づく計算をします。調停は、調停委員の腕にかかっていると言ってもいいと思います。調停委員の中には、業者よりの調停をまとめる人もいるようなので、返済案には注意が必要です。

 任意整理と同様、将来に発生する利息を免除してもらうようにすることと申立て人の生活に支障が出ない、無理のない返済計画にすることが重要です。

前のページへ戻る トップページ ページの一番上へ戻る


3 破産

 破産手続きは、これも裁判所を通じて行いますが、破産手続きと免責手続きの2つの手続きからなっています。一般に「破産」と言っているのは、免責まで含めたものです。
 破産手続きは、まず、破産申し立てをすることが必要です。これは、個人でもできますが、多くの場合は、弁護士や司法書士に依頼して申し立てています。個人で申し立てする場合には、すべての手続きや必要書類を自分で揃えなければならないので、大変な上に、破産手続き申し立ての準備をしているときも、債権者からの取り立てを止めることができないことから、実際には、債権者からの取り立てを止めるために弁護士に依頼することが多いと言えます。(現在は申立書の記入が簡素化されたため、個人で申し立てる方が増えてきました)
 破産申し立てをすると約1〜3カ月後くらいに裁判所に行き、裁判官と面接をします。これを「破産審問」と言います。そして、その人の収入や資産では、およそその人の借金は払えない状況にあると裁判官が判断したときは、破産宣告をすることになります。破産宣告を受けると、官報に掲載されます。しかし、それ以外には、戸籍にも載りませんし、一般の人が見るような新聞などには載りません。官報は、金融関係者などが個人の信用情報を得るために見る他は、一般の人は見ませんから、秘密は守られます。また、選挙権がなくなるわけではありませんし、会社を首になったりするということも原則的にはありせん。家族の財産が差し押さえになるということもありません(ただし、家族が保証人になっているような場合は別ですが)。ただ、破産すると信用情報としては、ブラックリストに載りますから、通常の金融機関からは、借りにくくなったり、クレジットで物を買うことができなくなるということはあります。ただし、このような不利益も一生続くものではなく、何年か続くものにすぎません。
 破産宣告を受けると、今度は、免責を受けるための免責の申し立てをします。免責とは、その人の借金を法律的には、一切払わなくてよいということです。免責の申し立てをしてから、これも約1〜3カ月後に裁判所に行き、裁判官と面接します。これを「免責審尋」と言います。免責は、破産の申し立てをした人すべてが認められるとは限りません。免責には、免責不許可事由というものがあります。ギャンブルや遊興費のために借りたとしても、直ちに免責不許可事由になるとは限りません。一定期間内に債務総額の一割ないし二割を積み立て、これを債権者に分配することができれば、免責を受けられる場合もあります。免責はあくまで裁判官の判断によります。
 このように破産手続きでは、破産申し立てをしてから、免責を受けられるまでに、約4ヶ月〜半年位です。

 以上説明したのは、申し立てた人に財産がない場合です。これに対して、自分名義の不動産がある場合には、手続きはもう少し複雑になります。不動産がある場合には、その不動産に抵当権が付いていて明らかなオーバーローンになっているような場合を除き、裁判所が破産管財人を選任して不動産を処分して、債権者に配当をするまでは手続きは終わりません。この場合には、何年か、かかる場合もあります。

前のページへ戻る トップページ ページの一番上へ戻る


4 個人債務者再生手続き

 これは、平成13年4月から始まった新しい制度です。破産手続きは、免責が認められれば、債権者に対しては一切支払わなくてよいことになりますが、一方、破産しようとしている人が、住宅をもっていると住宅を失わざるをえなくなりますし、人によっては破産はしたくないという人もいます。そこで、借金(ただし、住宅ローンを除く)の額が3000万円を越えない場合に、総債務額の一定程度を3年ないし5年で支払えば、それを越える金額については、免責させる、しかも、住宅ローンについては、返済を繰り延べして、住宅を保持したままで、債務の整理を可能にするという制度ができました。これは、まだ始まったばかりの制度であり、これをどのように有効に使っていくかは、これからの課題ですが、多重債務者にとって、選択肢が増えたことは確かです。

 
前のページへ戻る トップページ ページの一番上へ戻る メールを送る